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吉田拓郎というジャンル②

吉田拓郎の代表的なアルバムといえば、『元気です』(1972年発表)『LIVE’73』(1973年発表)などを挙げるファンも多いだろう。
これらの作品が、日本の音楽史上において伝説的であることは言うまでもないが、若者はもちろん、今は“拓郎離れ”したオールド・ファンにもぜひ聴いて(観て)もらいたい作品が『王様達のハイキング IN BUDOKAN』(1982年発表)だ。

1970年代後半頃から、フォークやロックは「ニューミュージック」と名を変え、いわゆる“都会的でお洒落”なサウンドへと主軸を移していく。世の中も“ソフト&メロウ”という言葉がキーワードとなり、ユニセックス・ファッションが流行ったりと、それまでの“熱き時代”は終焉を迎えた。
そんな中、吉田拓郎は新たに松本隆や鈴木茂と組むなどして、次なるスタイルの模索(迷走?)をしているように思えたが、彼を一つの固定観念で縛らない人にとって、この『王様達のハイキング IN BUDOKAN』は『LIVE’73』にも引けを取らない作品だといえるだろう。

当時、ボブ・マーリーに大きく影響を受けたと思われる中近東風ファッションやバンド&コーラスのパフォーマンスは圧巻で、この頃の「拓郎サウンド」には欠かせない青山徹のギターを存分に堪能できるのは嬉しい限りだ。(篠島で披露したほどの荒々しいギターではなく、適度にお洒落?)
拓郎自身もティンパレスや青山とのツイン・リードギターを披露するなど、“ソフト&メロウ”とは無縁のエネルギッシュなステージとなっている。
ちなみに、同時期の彼のステージング・スタイルは、今や安室奈美恵の代名詞ともなっている“一切MCなし”だったことも付け加えておこう。(安室奈美恵が見習った?)

この作品はビデオとLPレコード(現在はDVDとCD)で発売されたが、収録曲(何故か曲順も)が異なっている。
ぜひ、どちらも楽しんで頂きたい。

【おまけ情報】
●アルバムタイトルにもなっている「王様達のハイキング」は、実母の「エラそうで嫌いだ」の苦言でその後、長く封印されてる。
(但し、2019年のツアーでメンバー紹介の際、少しだけ演奏されている)
●当時、発売されたビデオとLPレコードは、「悲しいのは」がどちらにも収録されていたが、彼が叩くティンパレスの尺が巧み(?)に調整されていた。


『’82日本武道館コンサート 王様達のハイキング』


『王様達のハイキング IN BUDOKAN』

E.Guitar:吉田拓郎
E.Guitar:青山徹
A.Guitar:常富喜雄
Drums:島村英二
Bass:武部秀明
Keyboards:中西康晴・エルトン永田
Chorus:SUSIE KIM・館野江里子・菊谷淳子

「吉田拓郎/吉田拓郎 2019 -Live 73 years- in NAGOYA スポット映像」

by T.Yoshimura

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