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吉田拓郎というジャンル③

吉田拓郎の楽曲には、純朴で日本の原風景的な光景を思い起こさせるものがいくつかある。
きっと本人は自分の経験を歌にしただけなのだろうが、これらを聴くと自分の幼少期に郷愁を覚え、その世界観に共感する人は多いのではないだろうか。
そんな彼独特の表現による、魅力ある楽曲をいくつかリストアップしてみたので、ぜひ楽しんでいただきたい。

●夏休み
初リリースは、1971年のライヴ・アルバム『よしだたくろう・オン・ステージ!! ともだち』
その後、アレンジを変えながら幾度も発表されている吉田拓郎の代表曲の一つ。
名詞の羅列による「体言止め」的な表現は、想像力を増幅させ、あの五木ひろしの名曲「よこはまたそがれ」にも通じるものがある?
発表されて約50年経つ今も、世代を超えて、様々なアーティストによってカヴァーされているが、彼が幼少期に過ごした鹿児島県のJR谷山駅では、到着メロディに起用されたり、広島原爆投下への「反戦歌ではないか」という都市伝説(本人はキッパリと否定)が浮上したりと、話題性も多い。


『よしだたくろう・オン・ステージ!! ともだち』

●吉田町の唄
1991年、新潟県西蒲原郡吉田町(2006年、燕市に合併)の有志団体“若者共和国”から「“吉田”のよしみで」との依頼で作られた楽曲。
吉田家総出演(?)のこの楽曲は、いわゆる「昭和の家族」にありがちな姿が描かれ、その願いと共に懐かしさを感じる。後に故・山岡久乃出演の「ミツカン酢」CMソングに起用され、1992年には同タイトルのアルバムもリリースされた。


『吉田町の唄』

●AKIRA(アキラ)
「シュロの木」「おちんちんの見せっこ」「昭和の銀幕スターの名前」など、拓郎世代ならきっと知っている(経験している)であろう単語や出来事が巧みに散りばめられた、幼少期物語。
6分30秒以上に及ぶ大作だが、彼独特の「情景描写」「ユーモア」「人生訓」をしっかり堪能でき、時間を忘れて、その世界に引き込まれてしまう。そして、最後にびっくりするようなオチがあるのもさすがだ。

ちなみに登場人物の「ヨーコ」は、後のライヴでは「サユリ」に変更されている。


『’93 TRAVELLIN’ MAN LIVE at NHK STUDIO 101』



【おまけ】
「AKIRA(アキラ)」には、“おちんちん”や“おっぱい”という単語が出てくるが、「蒼い夏」(アルバム『伽草子』に収録)や「Voice」(シングル「もうすぐ帰るよ」のカップリング)にも出没(?)している。これらの単語をさりげなく歌ってしまうのも吉田拓郎ならでは。
※作詞はいずれも岡本おさみ

「吉田拓郎/「ぼくのあたらしい歌」Music Video+メイキング-Short Ver.-」

・TAKURO YOSHIDA(吉田拓郎) avex official website:http://avex.jp/takuro/

by T.Yoshimura

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