2014年10月10日、奇跡的なライヴ・ステージが組まれた。
全国1ヶ所だけのライブハウス公演が、名古屋ボトムラインで行われたのだ。
ファンにとっては超ミラクルな出来事。山下達郎本人にとっても三十数年振りのライブハウス出演。一人一枚という条件で限定300人に対し、数万人の応募が有ったと聞く。会場には当選したラッキー客が、北海道から沖縄まで来ていた。
それはそれは良いライヴだった。レポートしよう。
ステージが近い!音がリアル!たっぷりの演奏!…と三拍子揃っていたのは云うまでも無い。
オープニング「スペイス・クラッシュ」「あまく危険な香り」と続く、ファースト・インプレッションは「すごく音が良い!」だ。ホールでも良い音がする山下達郎コンサートだが、ライブハウスの場合、FOH(ライブハウス・スピーカー)+生音も微かに聞こえる。素晴らしいサウンド。
客席からは「大阪でもやってー!」と熱い声が飛び、総勢10名という大所帯メンバーの全楽器が乗るステージ。更にピアニスト難波弘之の希望で、グランドピアノの状態が良いライブハウスを選んだ、という山下達郎本人のMCもあった。
そして、日本のど真ん中の名古屋。ツアー・ファイナルの大阪からの帰路途中という事もあって、名古屋は良い環境であった。
たっぷり26曲を聴けて、ファンは大満足だったに違いない。
この時の主なメンバーを簡単に紹介。
難波弘之(p):ボトムラインではお馴染みのピアニスト。1979年から達郎のバンドに参加。自身の<センス・オブ・ワンダー>の他、是方博邦、五十嵐久勝(元ノヴェラ)、世良公則やレッド・ウォーリアーズなど様々なミュージシャンとも活動している。
伊藤広規(b):ヤマタツSoundをカラーリングできるベーシスト。スラップもフィンガーも楽曲をより輝かせて支える。初期からずっと参加している。
小笠原拓海(ds):青山純亡き後、小笠原拓海が後継者になり、サウンドが若がえっている。彼は山下洋輔ニュー・カルテットはじめジャズ/フュージョンを中心に活躍中していたが、2008年に山下達郎のバンドに参加したのがきっかけで歌伴を修行。山下達郎バンドの皆に鍛えられたらしい。現在は同世代で作ったユニットFab Bondが人気だ。
佐橋佳幸(g):良い意味で個性的なセンスを持ったミュージシャンで、多方面でのレコーディングやライヴに参加しているギタリスト。女優松たか子の夫としても有名だ。
三谷泰弘(cho):ご存知スタレビのキーボードだったesqこと三谷泰弘。この時はコーラス・アレンジを全面的に任された素晴らしいサウンドだった。
バック・コーラスとして、国分友里恵(cho)、佐々木久美(cho,org)
。他に、宮里陽太(Alto Sax,Soprano Sax)、柴田俊文(Key)も参加。
冒頭にも書いたが、こうしてこれだけのミュージシャンと各楽器がステージに乗る広さも、ボトムラインが選ばれた大きな要因のひとつだ。
山下達郎サウンド・シャワーで、満喫した一夜だった。
■セットリスト
【第1部】
・スペイス・クラッシュ
・あまく危険な香り
・雨の女王
・ピンクシャドウ[20]
・ジャングル・スイング
・ポケット・ミュージック
・ONLY WITH YOU
・世界の果てまで
・THE WAR SONG
・CANDY
・LOVE SPACE
【第2部】
・CHAPEL OF DREAMS
・シャンプー
・YOU BETTER RUN
・SPARKLE
・プラスティック・ラブ
・BOMBER
・SILENT SCREAMER
・CIRCUS TOWN
【アンコール】
・THE THEME FROM BIG WAVE
・LET'S DANCE BABY
・恋のブギ・ウギ・トレイン
・BLUE VALENTINE'S DAY
・ラスト・ステップ
・いつか
・YOUR EYES
※参考:山下達郎のコンサート一覧 > 2014年
by KURA