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チック・コリアとキース・ジャレットが激闘!マイルス・デイヴィス『アット・フィルモア』


マイルス・デイヴィス『マイルス・アット・フィルモア』

マイルス・デイヴィスが、ギリギリ“JAZZバンド”から本格的に電化し始めた1970年。5月のスタジオ・セッションではキース・ジャレットを参加させた。(後に『ゲット・アップ・ウィズ・イット』に収録される「ホンキー・トンク」)
そして3月のフィルモア・イースト、4月のフィルモア・ウェスト(『ブラック・ビューティ』)に続く6月のフィルモア・イーストには、エレクトリック・ピアノのチック・コリアに加えオルガン奏者としてキース・ジャレットも参加させ、ツイン・キーボード体制で臨んだ。今では到底考えられない組み合わせだろう。
エレピ対オルガンといっても、ハードに歪みまくった過激な音色同士お互い激しくぶつかり合う壮絶な闘い。
チック・コリアの変幻自在なリード・キーボードに対して、キース・ジャレットがワウも加えたファンキーなリズムでグルーヴを増幅させる。特に木曜の17分過ぎからの、取り憑かれたように執拗に刻み続けるキースのリズムが凄い。ワイト島フェスのインタビューで語っていた“トランス”とはこの事か。

サックスにはスティーヴ・グロスマン(2020年8月13日没)、ベースにデイヴ・ホランド、ドラムはジャック・ディジョネットという最強の布陣。
アイアートの“叩かない”パーカッションも鬼気迫っており、バンド全体にスパイスを振りまいているかのようだ。ドラムキットでは出せない音域をカヴァーしてバランスを整えている。チックのエレピとの相性も抜群だ。
当時44歳にして、すでにジャズの歴史を何度も塗り替えた大御所マイルスも、生涯で最も鋭いラッパを吹いている。しかも要所要所での“一噴き”で、これだけのメンツが放出する烈火のような流れを変えてしまうのだ。


At the Fillmore: Miles Davis 1970 - The Bootleg Series Vol.3

オリジナル・アルバムは6月17日〜20日の演奏をテオ・マセロが各曜日をアナログ一面づつに編集して収めていたが、ハサミの入っていない4枚組も2014年に公式発売された。テオ・マセロ編集版の方が勢いを失う場面がなく、ミックスも大胆で好みだ。チックとキースのキーボードが前面に出て、場面に従って定位も微妙に変化させてあり、これがアレンジの一部にもなっていて面白い。
世間的には金曜日(Friday Miles)が人気があるようだが、私は木曜日(Thursday Miles)がロック&ファンク色が濃くて好きだ。クリムゾンにも通じる部分もある。

by Kay-C

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